【炎上検証】しょこたんのマタニティフォトに批判殺到？「生腹が不快」は言いがかりか

しょこたんのマタニティフォトが炎上？

中川翔子さんの妊娠報告と“生腹フォト”

2025年8月1日。
タレントの中川翔子さんが、公式InstagramとX（旧Twitter）で妊娠を報告し、あわせて複数のマタニティフォトを公開した。

その中でもとくに注目を集めたのは、お腹をあらわにした「生腹」写真である。
この写真は、写真家の蜷川実花さんによって撮影されたもの。
雑誌『Numero TOKYO』のオンライン版で掲載され、色味やライティングは華美ではなく、むしろ落ち着いた印象だった。

中川翔子さんといえば、長年にわたってアニメやゲーム、動物愛護など多方面での活動を続けてきたタレントだ。
結婚と妊娠は祝福されるべき話題のはず。
だが、この投稿が波紋を呼ぶ結果になった。

写真のどこかに過激なポーズがあるわけでも、露骨な演出があったわけでもない。
衣装はシンプルで、写真の意図も「命を感じる美しさを伝えること」に見える。
それでもSNS上では、感情的な反応がじわじわと火種になっていく。

SNSの反応はなぜここまで分かれたのか？

ネット上では、このマタニティフォトに対する意見が真っ二つに分かれた。

祝福と称賛の声も確かに多い。
「生命の神秘を感じた」「綺麗なお腹」「表現として素晴らしい」
そうした投稿が、フォロワーや写真好きの層を中心に広がっていた。

一方で、「生腹は見たくない」「SNSで晒すものではない」といった否定的なコメントも急増する。
興味深いのは、この批判が必ずしも“明確な倫理観”から来ているわけではない点だ。
「不快だった」「なんか嫌だった」など、感覚に基づいた批判が多い。

これはもはや写真そのものではなく、受け手側の心理の問題である。

・妊婦の体を“神聖”と見る人もいれば、“見せすぎ”と感じる人もいる
・芸能人の自己表現に「節度」を求める人が一定数いる
・中川翔子さんという人物に対して、無意識の「反感」を抱いていた層が存在していた

この三点が、火に油を注ぐかたちで連鎖した可能性は否定できない。

加えて、今回のような「妊娠」や「母性」といったテーマは、個々の価値観や感情が強く出やすい。
それゆえに、炎上というより“文化摩擦”に近い空気がある。

いずれにせよ、SNSの特性上、共感と正義はとても強く拡散されやすい。
そしてそれは、時として攻撃性を伴ってしまう。

批判の声を見て思ったこと：本当に問題？

「生腹＝不快」って…どこからくるの？

中川翔子さんのマタニティフォトに対する批判の多くは、非常にシンプルな一言に集約される。
「見たくない」。

もう少し丁寧な言い回しにすると、「他人の生腹をSNSで晒さないでほしい」といった主張だ。
この“生腹＝不快”という感情の根っこには、明確な基準があるわけではない。
あくまで「個人的な感覚の問題」に過ぎない。

では、なぜこれが「炎上」になるほどまでに拡がったのか？
その理由は単純で、「他人の自己表現が、自分の感情に触れてしまった」からだろう。

不快の理由として、よく目についた声は以下の通り。

• SNSという公共性のある場で、お腹を出すのはマナー違反
• 見せられる側の気持ちを考えていない
• 妊婦だからって“何しても許される”と思っているのでは

どれもそれらしく聞こえるが、根本的には「自分が不快だった」という主観を、もっともらしく正当化しているだけにも見える。
「不快＝正義」という構図は、SNS上で特に顕著である。

さらに面白いのは、「私は妊婦経験者だけど、こういう写真は嫌だった」とする“経験者の声”が批判の免罪符として使われること。
それは一種の「私は当事者だから批判していい」という論理だが、他人の妊娠体験を否定する材料にはなり得ないはずだ。

やっぱり“叩かれる人”は決まってる？

芸能人の投稿に対して批判が起こるとき、しばしば「誰がやったか」によって、火のつき方が変わる。
今回の中川翔子さんも、まさにその典型かもしれない。

彼女は、昔から“オタクキャラ”として愛されてきた一方で、どこか「天然」「空気が読めない」「目立ちたがり」といったイメージも付きまとっていた。
それは決して本人の意図によるものではなく、長年のバラエティ出演やネット発信の積み重ねが生んだ“文脈”である。

この「文脈」が、マタニティフォトのようなデリケートな題材と結びついたとき、
「またやってるよ」
「こういうの好きだよね、この人」
という、批判というより“冷笑”の空気を生み出してしまう。

しかも今回の件は、過去に峯岸みなみさんや宮崎あおいさんが公開した“肌見せ系”マタニティフォトと比較され、
「また“服を着ない派”か」
「どうせ自己満でしょ」
というようなテンプレート批判が繰り返された。

このように、「叩かれやすい人」「目立つ人」は、何をしても一定層からの反応を呼びやすい構造になっている。
中川翔子さんが“マタニティフォト”を出したことそのものよりも、“彼女がやった”という事実が、火種を強くしたともいえる。

私が「それくらい良くない？」と思った理由

冷静に考えて、誰かのマタニティフォトを一瞬見ただけで、そこまで強く不快感を覚える理由はあるのだろうか。
日常のSNSには、もっと刺激の強い画像や投稿が溢れている。
炎上というほどの騒ぎにまでなったのは、“妊娠”というタブーに触れたからなのか、あるいは“女性の自己表現”に対する抑圧なのか。

おそらく両方が絡んでいる。
でも、筆者はこう思っている。

写真を見て「綺麗だな」「幸せそう」と感じることが、そんなにいけないこと？
「見たくない」と思ったら、そっとスクロールすればいいだけ。
なぜわざわざ言葉にしてぶつけなければ気が済まないのか。

もしかするとその奥には、嫉妬、疲れ、不安、自分の居場所のなさといった、言語化しづらい感情が眠っているのかもしれない。
そしてそれは、誰にでも起こりうる感情でもある。

次章では、なぜこのような「言いがかり炎上」が繰り返されるのか。
過去のマタニティフォト騒動と照らし合わせながら、もう少し深く掘ってみたい。

「服を着ない派」ってなに？過去の炎上との比較

峯岸みなみさん、その他の例もチェック

“マタニティフォト炎上”と聞いて、すぐに名前が挙がるのが峯岸みなみさんである。
彼女が2024年に公開したマタニティフォトでは、トップレスで膨らんだお腹を正面から見せた写真が使用され、SNSで大きな議論を呼んだ。

「美しい」「神秘的」と賞賛された一方で、
「下品」「不快」「誰が得するの？」と、今回の中川翔子さんとよく似た反応が相次いだ。

他にも、女優の宮崎あおいさんやモデルの滝沢眞規子さんなどが過去にマタニティフォトを公開してきたが、
どれもその“露出度”によって評価が極端に分かれた。

このように、“服を着ていないマタニティフォト”を投稿する人たちを、
いつしかSNSでは「服を着ない派」と、やや皮肉混じりに呼ぶようになった。

ただし重要なのは、“脱ぐこと”が問題なのではなく、
「脱いで見せた人」がどういう人だったかによって、反応が変わっている点にある。

妊婦フォトと“露出”をめぐるギャップ

マタニティフォトは、もともと海外ではポジティブな文化として広がってきた。
アメリカでは、ベリーペイントや夫婦のツーショットなど、“記念写真”として一般化している。
写真の露出度も高めであることが多く、肌を見せることに特別な意味を込める傾向がある。

しかし日本では、妊娠・出産は依然として「内側の出来事」として扱われがち。
そこに強く自己表現を絡めると、「神聖なものを私物化してる」と受け取られてしまう。
このギャップが、SNS上での拒否反応を生んでいるのかもしれない。

興味深いのは、露出が控えめでも叩かれる場合があるということだ。
つまり「露出そのもの」よりも、やはり「見せ方」や「キャラ」による印象の差が大きい。

結局「誰がやるか」で印象が変わる説

結論から言えば、マタニティフォトに限らず、
SNSでの自己表現に対する評価は「内容」よりも「人物像」に強く引っ張られる。

たとえば、中川翔子さんのように「明るく、自由で、自分の世界を持っている人」が何かを発信すると、
「また目立とうとしてる」
「構ってほしいんでしょ」
といった冷めた見方が出てくる。

一方、同じようなことを女優やアーティストなど“普段あまり喋らないタイプ”がやると、
「想いが伝わってくる」「作品みたい」と感動されるケースもある。

この矛盾をどう捉えるか。
人は無意識に「キャラ」と「文脈」を結びつけて受け止めている。
中川翔子さんの件も、その“キャラの記憶”が強かったからこそ、あの反応だったのではないか。

誰がどんな意図で投稿しても、それをどう受け止めるかは、結局“見る側”の思い込みに左右される。
それがSNS社会における、もっとも厄介で、もっとも人間らしい部分かもしれない。

私は結婚してないけど…妊娠フォトについて考える

正直ちょっと羨ましかったし、勇気を感じた

中川翔子さんのマタニティフォトを見たとき、最初に浮かんだのは「綺麗だな」という感情だった。
そのあと、少しだけ心の奥がざわついた。

正直に言うと、少し羨ましかった。

妊娠して、お腹がふっくらして、でも自信を持って写真に残すって、簡単なことではない。
年齢や見た目、立場を気にして、自分を隠す方向に走る人のほうが多いはず。
にもかかわらず、堂々と「これが今の私」と発信できる姿勢には、どこか潔さと強さを感じた。

しかも、芸能人である以上、叩かれる可能性があることは分かっていたはず。
それでもあえて公開したのは、「妊娠って誇っていいことなんだよ」と伝えたかったからではないか。

誰にどう思われるかより、「どう生きたいか」を優先したように見えた。
その姿勢に、妙に背筋を正されるような気持ちになった。

SNS投稿って、自分らしさを出す場所じゃない？

SNSに投稿するという行為自体、突き詰めれば「誰かに見せたいから」だ。
わざわざ非公開設定でやる人なんて少数派だし、大半は人目を前提に使っている。
それならば、芸能人であれ一般人であれ、「どんな形で自分を見せるか」は個人の自由であるはずだ。

なのに、マタニティフォトのように“人によって見方が割れる投稿”に対しては、
「見たくなかった」「配慮がない」といった声が増えがちである。

けれど、その論理でいくと、

• 自撮りも、
• ペットの写真も、
• 推し活の投稿も、

見る側の感情次第で“配慮がない”とされてしまう。
それって、「SNS＝無難なことしか言えない場所」になってしまう危険性を孕んでいる。

もちろん、発信には責任が伴う。
でも、自己表現まで制限されるようになったら、それはもう楽しい場所とは言えない。
中川翔子さんのように、自分を丸ごと見せる勇気が、少しだけ羨ましかった。

モヤモヤの正体って“嫉妬”なのかもしれない

この話題に関して、SNS上では「妊娠してるからって何しても許されると思ってるの？」といったコメントも目立っていた。
その言葉の裏側には、不公平感や疎外感のような感情が透けて見える。

見せびらかされたように感じたのか。
自分が手にしていないものを持っている人への羨望なのか。
はたまた、「私はそんな風に表現できなかったのに…」という後悔なのか。

たぶん、どれも少しずつ混ざっている。
そしてそれは、誰にでもある感情だ。
わたしもまた、その感情をほんのりと感じた側のひとりだった。

だからといって、批判する資格があるわけじゃない。
モヤモヤしたら、その気持ちをまず自分で受け止めてみる。
そのうえで、「この人はこの人」と境界線を引けるかどうか。

それが、SNS時代に求められる“距離感”なのかもしれない。

まとめと感想

「不快」は個人の感情、でも拡散されやすい

今回の「しょこたん炎上劇」は、どこか不思議な構造をしていた。
直接的な侮辱や過激な表現はない。
過去のスキャンダルとも無縁。
なのに、“不快だ”という声が、次々と連鎖的に広がっていった。

つまり、この炎上の中心にあったのは、「感情」である。

人は、自分の感情が動かされたとき、特に「モヤモヤ」や「ざわつき」を感じたとき、それを誰かに共有したくなる。
SNSという空間は、その「共有」のスピードがあまりに早い。
そこでは、理由や論理よりも、「私がイヤだった」が先に届く。

そして、その感情に似た不快を感じた誰かが、「わかる」と共鳴する。
それが“共感と正義”の鎖になり、ひとつの正しさとして広がってしまう。

しかも、この現象には“沈黙する群衆”という側面もある。
「私は素敵だと思った」と発信する人も確かにいた。
でも、それ以上に「空気を読む」人たちは、何も言わずに通り過ぎる。
その結果、否定の声だけが目立ち、拡散され、「大多数が怒っているように見える」現象が生まれる。

不快感は主観だが、拡散されると客観性を帯びてしまう。
これが、今回の件でもっとも象徴的な部分だったのではないか。

中川翔子さんの投稿は、叩かれるべきだった？

最後に、改めてこの問いに立ち返りたい。
中川翔子さんのマタニティフォト投稿は、「叩かれるような内容」だったのか？

写真に過度な露出はない。
ポーズも挑発的ではない。
撮影者は蜷川実花さんであり、表現としての文脈は十分に整っていた。
投稿文も丁寧で、謙虚さと喜びが混じった優しいトーンだった。

なのに、そこに「叩き」や「批判」が集中した。

おそらく、それは“表現の自由”に対する抑圧の結果だった。
自己表現を好む人が一定数いて、それに違和感を持つ人も一定数いる。
そのどちらも本来は共存できる。
だが、SNSというプラットフォームの性質が、それを許さなかった。

もちろん、発信する側に配慮や覚悟が求められるのも事実。
けれど、批判する側にだって責任はある。
「感情的に反応しただけ」では済まされない影響力を持つ時代に、私たちは生きている。

中川翔子さんの投稿は、“叩かれるべきもの”ではなかった。
むしろ、勇気を持って個人の今を表現した、正当なひとつの意思表示だった。

それを「美しい」と思うか「不快」と思うかは自由だとしても、
「叩く」という選択だけは、慎重になるべきだった。

この一件は、投稿者と受け手のあいだにある「見えない境界線」をどう守るか――
そんな問いを私たちに投げかけているようにも見える。
次に誰かが“何かを見せたとき”、その受け止め方は、少し変わるだろうか。

あるいはまた、同じような波紋が繰り返されてしまうのだろうか。

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